〔 経営/コンサルティング 株式会社スパイア 2009年07月30日 〕
【プレスリリース概要】
◆職場内でのコンプライアンス違反を知ったとき、上司や内部通報窓口に「知らせる」社員は2割台にとどまる!◆株式会社スパイア(本社:東京都港区、代表取締役社長CEO:早川与規 証券コード:4309、以下スパイア)と『会社員のためのコンプライアンス意識調査』を提供している第一法規株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:田中英弥、以下第一法規)は共同で、会社員を対象にした「コンプライアンスに関するアンケート調査」を行い、1,000名の回答を得た。
【プレスリリース内容】
コンプライアンスという言葉やその内容が周知・普及しつつあることを背景に、意識や行動といった動向を把握するために実施したものである。
調査によると、コンプライアンスに対する認識や意識の高まりが見られる一方で、それが必ずしも実際の行動に結びつくとは言えないことや、研修の受講が必ずしも十分な理解につながっているとは言い切れない状況などが浮かび上がってきている。さらに、昨今の厳しい雇用情勢等を背景に、労働環境におけるコンプライアンス違反の発生懸念が高まっている状況も見られるほか、職場のコミュニケーションが不足している状況もうかがえた。
こうしたことから、安心して働ける職場環境づくりのためにも、コンプライアンスに関する会社の方針を十分に理解し行動できる社員の育成に、より一層力を入れていくことが、今後企業に対して求められていくと考えられる。
<TOPICS>
■ コンプライアンスを「意識している」(44.9%)が半数に迫る勢いであるものの、コンプライアンス違反を上司や内部通報窓口に「知らせる」は、26.4%にとどまる。
■ コンプライアンス関連研修を「受講したことがある」は6割(60.2%)。しかしコンプライアンスに関する会社の方針を「十分理解している」は34.3%。
■ コンプライアンス違反の発生が懸念される分野は、「起こりそう」と「どちらかといえば起こりそう」を合わせると「労働時間・賃金」(54.8%)、「人権侵害」(37.4%)、「労働安全」(36.9%)と、職場環境に関する分野が上位を占めた。
■ コンプライアンス違反を上司や内部通報窓口に「知らせる」管理職は40.7%。一方、一般社員の場合は23.2%にとどまり、職位による意識の違いがみられる。
■ 上司が職場のコミュニケーションを維持・向上させようと「いつも努めている」と感じている一般社員は、10.3%にとどまる。
<調査概要>
調査対象 : スパイアが運営するターゲットリサーチパネル
調査手法 : インターネットリサーチ
サンプル数: 1,000名
調査期間 : 2009年6月6日~6月9日(4日間)
<調査結果>
コンプライアンスを[意識している] 人が5割(44.9%)近くに及ぶのに対し、実際に職場内でコンプライアンス違反があった場合に、上司や内部通報窓口に[知らせる]のは、その半数程度、2割台(26.4%)にとどまっている。
また、[意識している]と [どちらかといえば意識している]を合わせても、全体の8割以上(80.7%)がコンプライアンスに関する何らかの意識を持つ状況にあるなかで、違反報告については、[知らせる]と [どちらかというと知らせる]と合わせても6割台(68.3%)にとどまっている。
このように、意識の高まりが見られる一方で、それがそのまま実際の行動には結びつきづらい面もあらわれており、行動や活動など、実践性を重視した意識づけが求められる状況にある。
会社におけるコンプライアンス関連研修の受講経験については、全体の6割(60.2%)が[受講したことがある]と答えているのに対し、コンプライアンスに関する会社の方針等に関する理解度としては、[十分理解している]は3割台(34.3%)にとどまっている。[どちらかというと理解している]を含めると、全体の9割(93.1%)は何らかの形で理解をしていると捉えられるが、コンプライアンス体制をより充実したものとするためには、社員一人ひとりの理解度を高めるための、より良質な研修活動や、その効果の見極め等に取り組んでいく必要性が考えられる。
コンプライアンス違反の発生が懸念される分野としては、「労働時間・賃金」「人権侵害」「労働安全」が比較的多く挙がっている。「労働時間・賃金」分野で[起こりそう]と[どちらかといえば起こりそう]を合わせると54.8%、「人権侵害」分野で[起こりそう]と[どちらかといえば起こりそう]を合わせると37.4%、「労働安全」分野で[起こりそう]と[どちらかといえば起こりそう]を合わせると36.9%となっている。
厳しい社会経済情勢や雇用動向等を背景に、労働環境全般への関心・心配の高まりや、安心して働くことのできる職場づくりが求められているとも捉えることができる。
コンプライアンスに関する意識として、違反の際の報告行動について職位別での違いが見られる。管理職で[知らせる]割合は40.7%となり、一般会社員(23.2%)より強いコンプライアンス意識を持つ状況にあると言え、こうした高い意識を一般社員も含めて全社的に共有していく方向性が求められる。
職場のコミュニケーションを維持・向上させることを、上司が[いつも努めている]と感じている一般会社員は、10.3%にとどまる。コンプライアンスに関する意見(自由記述)として、「上司や同僚とのコミュニケーションや相談しやすさなど、人間関係がうまくいっていれば、コンプライアンス違反が起こりにくいと思う」との意見もみられ、職場のコミュニケーション不足が、コンプライアンス違反の際の会社への報告等、コンプライアンスの実践性の低さの一因となっている状況も推測される。
【プレスリリース連絡先】
<本件に関するお問い合わせ>
株式会社スパイア 経営本部 広報担当 : 三澤
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