12月
14

ECサイト/ショップ 有限会社ヨセフアンドレオン 2010年12月14日


【プレスリリース概要】
「雑学本」や「キャバクラ本」のヒットメーカーとして知られる編集プロダクション、有限会社ヨセフアンドレオン(東京都新宿区、代表取締役中川文人)は12月14日、電子書籍のECサイト「わけあり堂」を開設しました。

【プレスリリース内容】
「わけあり堂」は、読者からの支持を得ながらも出版社の都合等によって「本にならない作品」等を電子書籍の形で読者に届ける電子書店です。人気イラストレータ・斉田直世氏の「隠れた名作」をはじめ、「埋もれた名作」「伝説の名作」を毎月1〜2点のペースで発行していきます。
以下は「わけあり堂」の運営会社ヨセフアンドレオン代表中川文人の一問一答です。

Q 「わけあり堂」をつくった理由は?
A 当社は編集プロダクションでして、「ライターのまとめ役」のようなことをやっているのですが、今年に入ってからライターさんが次々と廃業しています。ライター仕事ではメシが食えなくなったんです。それで、なんとかしなければと思っていたところに「電子書籍ブーム」がやってきたので、よし、やってみようと思ってはじめました。

Q ライターの状況はそんなに厳しいのでしょうか?
A 厳しいですね。悲惨です。聞くも涙、話すも涙です。雑誌の仕事を中心にやっているライターさんは「原稿料はこれまでの半額以下、取材費は全部持ち出し。地方まで取材に行くと赤字」と窮状を訴えていました。単行本を中心にやっているライターさんは「初版部数は減る一方。印税率もどんどん下がり、2、3年前までは10%が当たり前だったのに今は7%ももらえればいいほう」と泣いていました。

Q なんでそんなことになったのですか?
A 「出版不況」というのは10年くらい前からずっと言われていることで今にはじまったわけではないんですが、その中で犠牲になってきたのは実は読者です。出版社は「売れない」「部数が出ない」となると、すぐに本の定価を上げる。紙代や印刷代はどんどん安くなっていて、10年前の半分くらいになっているのに、なぜか本は高くなっている。そして、その一方で著者の原稿料、印税率は下がっている。
つまり、日本の出版界は、著者を叩いて安く仕入れ、読者に高く売りつける、というやり方でしのいできたわけです。
活字離れとかいろいろ言う人がいるけど、私は、今の出版不況の本当の原因はこれだと思います。生産者と消費者を大事にしなかった結果です。そんな産業は滅びるのが当たり前です。

Q 電子書籍には展望がありますか?
A 電子への移行は大きな時代の流れですから、数年後には電子書籍が出版の主流になっていると思います。紙の本の世界には「並製本」と「上製本」という言葉がありますけど、数年後には、並製本は電子書籍、上製本は紙の本、という意味に変わっているでしょう。

Q 「わけあり堂」は「読者と著者の双方にメリットがあるビジネスモデルの構築を目指す」と言っていますが、これはどういう意味ですか。
A 紙の本の失敗を繰り返さない、という意味です。読者と著者を大切にしなければこの仕事は成り立ちません。

Q わけあり堂の印税率は?
A 私は著者として大手の出版社さんと「紙の本は10%、電子書籍は15%」という印税率で契約をしていますが、わけあり堂は40%を最低ラインとしています。

Q 賛同するライターさんが多いようですが。
A ライターさんが一番喜んでいるのは「電子書籍には品切れがない」という点ですね。今は紙の本を出しても本屋に並んでいるのは長くても2ヶ月、ジャンルによっては2週間。で、半年経ったら断裁。「本は残る」と言いますけど、全然残らない。著者の家と編集部の棚に一部ずつあるだけ。ライターさんはこれが耐えられないみたいです。

Q 電子書籍ブームをどう見ますか?
A クレジット決済代行会社の方に聞いたら、「電子書籍の販売をやりたいという申し込みが2日に1件は来る」と言っていました。そして、電子書店をはじめる人のほとんどが、これまで出版とは無関係だった人だそうです。マスメディアは「朝日新聞とソニーがどうの」とか「角川グループがどうの」と盛んに報じていますが、電子書籍ブームというのは、実は出版界とは違うところで起きています。「今の出版界はダメだ、本屋に行っても面白い本がない」と思っている人が電子書籍ブームを支えているんです。
私はそれを聞いて、これは出版の自由民権運動なんだと思いました。「出版を読者と著者の手に取り戻そう」とみんな思っているんでしょう。もちろん、私の気持ちも同じです。
以上

【プレスリリース連絡先】
連絡先
有限会社ヨセフアンドレオン  
〒162-0822 東京都新宿区下宮比町2-28
tel:03-5225-1307  fax:03-5225-1308