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健康食品/サプリメント 合資会社 戦略企画 2011年09月15日


【プレスリリース概要】
合資会社戦略企画(東京都江東区、代表:小林 新治)は、2011年8月18日に、健康関連食品5分野(健康食品、特別用途食品、特定保健用食品、栄養機能食品、健康志向食品)に関する市場動向調査の結果を発表しました。

【プレスリリース内容】
 2010年は、健康関連食品5分野のうち、健康志向食品と栄養機能食品の市場は続伸し、健康食品市場も5年ぶりにプラス成長に転じた。デフレに歯止めが利かない上に、様々な規制が強化されている中、消費者の底堅い健康ニーズに支えられた結果といえる。
 2011年も1月から3月までは好調に推移していたが、3月11日の東日本大震災によって、日本経済、そして、健康関連食品市場も大打撃を受けた。
 しかし、消費者の健康ニーズは、かつてないほどの高まりを見せており、健康関連食品市場は、全般的に予想以上の早さで回復しつつある。
 また、福島第一原子力発電所事故による放射線汚染が国際的な問題となっており、消費者の“健康・安全・安心志向”は、これまでのような“ブーム”の域を超え、切実さを増している。

■健康関連食品5分野の市場規模(出荷額ベース、単位百万円)は以下のとおり。推移は、2010年次・2011年次見込み・2012年次予測(対前年比)。
健康食品 731,480(105.0%)・723,790 (98.9%)・739,050(102.1%)
特別用途食品 35,764(68.7%)・30,235(84.5%)・30,376 (100.5%)
特定保健用食品 354,550(97.6%)・346,550(97.7%)・344,200(99.3%)
栄養機能食品 379,800(108.8%)・402,500(106.0%)・441,100 (109.6%)
健康志向食品 3,005,260(105.8%)・3,099,230(103.1%)・3,197,110(103.2%)

■2010年の健康食品市場は、デフレ経済の進行や規制強化などの逆風の中、消費者の根強い健康ニーズに支えられ、5年ぶりにプラスに転じた。
 2011年も健康食品市場は、続伸が見込まれていたが、3月11日の東日本大震災によって、大打撃を受け、上半期(1月~6月)の実績は、前年比で3%ほど減少している模様である。
 しかし、震災後、インフラ整備が急速に進み、予想以上に早く業績を回復している企業が増えていることや、消費者の健康志向、安全・安心志向がかつてないほど高まりを見せていることなどから、2011年の健康食品市場は、通期で前年比1.1%減程度まで巻き返すと見込まれる。
 そして、2012年には、再びプラス成長に復帰すると予想される。

 健康食品素材61品目別の販売高に関して、2010年から2012年の3年連続で成長すると予想されるのは22品目(青汁、核酸、グルコサミン、健康酢、コラーゲン、DHA、冬虫夏草、乳酸菌、ブルーベリーエキスなど)。

 健康食品のセールスポイント29項目別(有用成分に期待される機能性)の販売高に関して、2010年から2012年の3年連続で成長すると予想されるのは7項目(関節症予防・改善、中性脂肪低下、デトックス効果など)。

 健康食品の流通チャネルは、訪問販売および通信販売などの無店舗ルートが7割を超えている。
 通信販売は、2008年以降、成長基調が続いており、2009年からは、販売高で訪問販売を追い抜き、最大チャネルとなっている。
 店舗ルートでは薬局・薬店が中心となっている。百貨店や健康・自然食品店は、苦戦を強いられている。
 その他では、CVS、量販店、化粧品店、宣伝講習販売、医療機関など、多様化が推進されている。

■特別用途食品は、2009年4月1日に新制度が施行され、2011年から、新制度による特別用途食品の市場形成が本格的に始まったといえる。4月1日には「総合栄養食品」の表示許可第1号も現れており(クリニコ「シーゼット・ハイ(CZ-Hi)」)、今後は、各品目において新商品の増加が期待されている。
 対象品目は、次の8品目で、病者用食品〔許可基準型〕(低たんぱく質食品、アレルゲン除去食品、無乳糖食品、総合栄養食品/病者用食品〔個別評価型〕/妊産婦・授乳婦用粉乳/乳児用調製粉乳/えん下困難者用食品)。

■特定保健用食品の市場規模は、1993年10月に市場形成が始まってから順調に成長してきたが、2005年に初めて前年割れとなった。翌2006年からは再び拡大したが、2008年以降は縮小基調が続いている。
 2011年は、震災や原発事故の影響も加わり、市場規模は4年連続で縮小すると見込まれる。
 2012年も、苦戦が予想されるが、プラス要因も現れている。それらは、①震災や原発事故の影響により、消費者の健康および食の安全への関心が格段に高まっており、消費者へ商品独自のヘルスクレームをアピールできる特保の啓発がしやすくなっている、②「抗疲労特保」の申請・審査・許可に動きが出始めている、など。

 特定保健用食品の7保健用途で、2010年から2012年の3年連続でプラス成長が予想されるのは2保健用途で、「コレステロール上昇抑制」「高血圧予防」。
 反対に、3年連続でマイナス成長が予想されるのは3保健用途で、「整腸作用」「歯の健康維持・虫歯予防」「中性脂肪・体脂肪上昇抑制」。

■栄養機能食品に関しては、幅広い商品カテゴリーにおいて(一般食品、ドリンク、健康食品)、着実にニーズが高まっている。行政サイドが食品の販売における虚偽・誇大表示の取締りを強化しているため、コストや手間があまりかからない合法的なヘルスクレーム表示の手段として栄養機能食品を、多くの企業が評価し始めているからである。

■健康志向食品市場は、2011年以降も続伸していくと予想される。
 食品・ドリンク市場全体が、環境の悪化により(経済環境:不況、デフレ、節約・低価格志向の高まり/社会環境:人口減、高齢化、東日本大震災、福島第一原発事故など)、苦戦を強いられている状況で、健康志向食品市場が成長を続ける主な要因は、下記のとおり。
 ①「どうせ食べるなら、少しでも、健康的なもの」を選択する消費者が増加。
 ②内食化が再び進んでおり、家庭用加工食品の需要が、全般的に拡大。
 ③“健康・安全・安心・簡単・便利・求めやすい価格”という消費者ニーズに即した商品開発の推進。
 ④記録的な猛暑だった2010年ほどではないが、2011年も平年以上の暑さとなっており、また、冷房などの節電対策によって、健康志向ドリンク市場が堅調に推移、など。

 これらの調査結果は、市場調査レポート「健康関連食品の現状と将来展望 2010-2012」に掲載されています。

*「健康関連食品の現状と将来展望 2010-2012」の概要
・調査対象:健康食品、特別用途食品、特定保健用食品、栄養機能食品、健康志向食品
・調査方法:主要企業や団体などに対するヒアリング(直接面接、電話)、補足的に各種オープンデータを活用
 市場規模および販売高などの金額は、すべて、「出荷額ベース」。年次は、「1月~12月」
・調査期間:2011年6月~8月
・発 刊 日:2011年8月18日(木)
・体  裁:A4版271頁
・価  格:73,500円(本体70,000円、消費税3,500円)

【プレスリリース連絡先】
合資会社 戦略企画  担当:小林、吉野
E-mail: info@senryaku.biz
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