12月
26

ITシステム/サービス 株式会社ルートレック・ネットワークス 2012年12月26日


【プレスリリース概要】
株式会社ルートレック・ネットワークスは、明治大学黒川農場との産学連携事業として、日本の国土の65%を占める中山間地域の中小規模施設栽培を対象とした、従来の培養液管理システムの初期導入コストを1/5に大幅削減でき、さらに、ブロードバンド網を利活用した遠隔制御技術により、施設栽培の省力化と収量アップ、環境保全型農業を実現する、M2Mプラットフォームによる養液土耕システム「ZeRo.agri(ゼロ・アグリ)」を、2013年3月より提供開始いたします。

【プレスリリース内容】
 「ZeRo.agri(ゼロ・アグリ)」は、ルートレック・ネットワークスが開発したWi-Fi利用無線子機とM2Mクラウドを利用した、M2Mプラットフォーム「ZeRo(ゼロ)」を用いて、明治大学黒川農場が研究を進める環境保全型農業「養液土耕栽培」を実現するものです。
 明治大学黒川農場で実証研究をされている「養液土耕栽培」は、土壌に作物を栽培し、灌漑水に肥料を溶かして、水と肥料を同時に必要なだけ供給する栽培方法(潅水施肥)です。水耕栽培と土耕栽培の折衷農法として、導入コストは従来の水耕栽培に比べて圧倒的に少なくなる上に、必要な肥料を必要な時期にだけ供給するため、肥料の利用効率が上がり、環境に排出される肥料が少なくなるという環境保全効果が非常に高い農法です。水の少ない地域で技術革新した「養液土耕栽培」を、雨の多い日本の風土に適した管理指標を生成して体系化するためには、施設内の日射量、温度、湿度、EC値等のセンサー情報と作物の育成との関係を、時系列に分析調査する必要があり、そのために、低コストで正確に情報収集及び制御を可能とする、ルートレック・ネットワークス独自のICT技術であるM2Mプラットフォーム「ZeRo(ゼロ)」が役立つこととなりました。
 「ZeRo.agri(ゼロ・アグリ)」は、すでに黒川農場との共同研究を経て製品化の目途が立ち、2013年3月からの提供開始に向けて準備が進んでいます。「養液土耕栽培」は、その栽培効率の良さから、発祥地のイスラエルをはじめとして、フィリピンの花卉栽培、マレーシアの高設イチゴ栽培、タヒチでのブドウ栽培等、世界においても高品質で収益性の高い栽培法として注目されています。特に、日本のように、中山間地域(中間農業地域と山間農業地域)での農地が多い国土においては、施設栽培で「養液土耕栽培」を用いることで、トマト、きゅうり、アスパラガス、セルリ、なす等の高品質な農作物が、灌水施肥の自動管理のもと、少人数の農家によって持続生産することが可能となります。
 ルートレック・ネットワークスは、上記のようなメリットを持つ「養液土耕栽培」をスモール・スタートできる「ZeRo.agri(ゼロ・アグリ)」として、中小規模の施設園芸市場への販促活動を進めていきます。さらに、全国の各市町村で活躍をしている、農業生産法人ならびに農業資材商社と連携し、きめ細やかに市場ニーズに応えていきたいと考えています。
 「ZeRo.agri(ゼロ・アグリ)」の初期導入費用は1台120万円(税別)~、クラウド利用料が1万円/月(税別)~を予定しています。ルートレック・ネットワークスは今回発表した「ZeRo.agri(ゼロ・アグリ)」関連事業で、今後3年間に4億円の売り上げを見込んでおります。


●高齢化による農業衰退、農業就業人口減、多施肥による環境汚染等、農業環境への課題に応える、ICT利活用による生産性向上と経営の効率化を実現!
 日本農業の課題として、高齢化による農業衰退(平均就業人口64.9歳(H19)→65.9歳(H24):農水省統計)、農業就業人口減(311万人(H19)→251万人(H24):農水省統計)、過剰な施肥による地下水汚染等が挙げられます。そこで、生産性向上と経営の効率化を行い、環境に優しい持続可能な農業経営への支援を行う為のICT利活用が考えられます。
 しかしながら、従来のICT技術を活用したシステムは以下の4点をはじめとする課題があり普及を妨げています。
1)システムが高価:(日本国土の65%を占める中山間地域は地理的制約から農地が分散・小規模の為に、高価な集中型営農システムの導入は費用対効果の面でむずかしい)。
2)各種データが管理技術に活かされていない:(現在のICT関与は、情報収集(見える化)に力を入れており、最も重要な栽培管理技術への結びつきが弱く、生産者の農業活動に活かされていない)。
3)農業従事者のICT機器の壁:(平均年齢65.9歳(農林省統計)という高齢な農業従事者へのICT機器利活用の限界がある)。
4)販売活動という出口戦略が見えない:(ICT農業による収量アップ分の農作物の販売先の確保や、ブランド戦略を併せ持つ農業ビジネスモデルが重要)。

 そこで、これら課題を解決する為に、ルートレック・ネットワークスと黒川農場の産学連携による、M2Mプラットフォーム利活用の「養液土耕栽培」で初期導入費用を抑え、日射量やEC値等、必要最低限のセンサー情報を基に独自アルゴリズムによって生成された「管理指標」で灌水施肥管理を行い、高品質農作物の安定供給というバイヤー・ニーズに応えることで流通関係へのメリットを明確にするという「ZeRo.agri(ゼロ・アグリ)」が登場し、ICT技術を活用した農業支援システムが実現しました。


●M2Mプラットフォームによる養液土耕システム「ZeRo.agri(ゼロ・アグリ)」概要:
 M2Mプラットフォームによる養液土耕システム「ZeRo.agri」は、以下の4つの機能を備えた、ICT利活用の培養液管理システムです。

1)施設内ゲートウェイ:施設内の環境情報をリアルタイムに収集・通信を行い、最新の環境情報を基に灌水施肥システムの制御を行う。
2)灌水施肥管理クラウド:施設内ゲートウェイからの環境情報の蓄積と、独自アルゴリズムにより灌水施肥テーブルをリアルタイムに更新を行う。
3)PCクライアント:灌水施肥管理クラウドの情報を分析し生育管理アルゴリズムを生成する。
4)灌水施肥システム:施設内の農作物に圧力水のみで灌水施肥を行う。


●明治大学黒川農場について:
 人類は多様な環境問題、食糧問題、資源の枯渇問題に直面し、社会構造の大幅な転換が求められるようになり、農業の果たす役割が益々重要視されるようになりました。このような時代背景から、黒川農場は、これからの時代をリードするキャンパスと位置づけ、未来型エコシステム(環境共生)、里山共生システム(自然共生)、地域連携システム(地域共生)、という3つのコンセプトを基本として、2012年4月に神奈川県川崎市麻生区の黒川地区に開場されました。新農場は黒川地区の自然を最大限に活かした設計がされており、先端技術を駆使した生産効率の高い栽培システムと、有機農法をはじめとする環境保全型生産システムを併せ持ち、幅広い実習教育や研究を通じて、地域と大学の連携による多目的な都市型農場を目指しております。

【プレスリリース連絡先】
●本社:〒213-0011 神奈川県川崎市高津区二子5-1-1 高津パークプラザ7F
TEL:044-829-4361 FAX:044-829-4362

● 本件に関するお問い合わせ先 ● 株式会社ルートレック・ネットワークス
マーケティング部 担当:時津(ときつ)
TEL:044-829-4361  FAX:044-829-4362
e-mail:mktg@routrek.co.jp
http://www.routrek.co.jp/