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製造業/流通業 ビジネスワイヤ・ジャパン株式会社 2009年08月28日


【プレスリリース概要】
ベンチャーキャピタルからの出資及び米政府エネルギー省からの景気刺激策に基づく給付(stimulus package)を受け 、蓄電業界のリーダーは、日本にイノベーションをもたらそうとしている

【プレスリリース内容】
シアトル –(ビジネスワイヤ)— 2009年8月28日− EnerG2社(本社:シアトル)は、次世代蓄電技術の飛躍的な発展に向け、ナノスケールの構造を持つ先端物質を開発する会社だ。同社は、本日、日本における電気二重層キャパシタの市場を拡大する試みを発表した。

同社の日本への注力の前には、1年間にわたる入念な下積みがあった。過去12ヶ月間に、EnerG2社 (www.energ2.com)は、11億円を著名な投資家から集めた。投資家には、OVPベンチャーパートナーズ、ファイアーレーク・キャピタルマネジメント、イエールタウン・ベンチャーパートナーズ及びWRFキャピタルといったベンチャーキャピタルが名を連ねている。今月には、米エネルギー省から景気対策法に基づく2130万ドル(約21億円)を受けた。当該景気刺激策に基づく投資は、先端的な自動車用電池及び蓄電技術の製造業者に与えられている。

ベンチャーキャピタルから投資を受けた蓄電分野の会社のうち、米エネルギー省から景気刺激策に基づく投資を受領したのは、たった2社だけだ。EnerG2社のほかには、 A123 Systemsが受領した。EnerG2社は、景気刺激策に基づいて受領した投資で、米西海岸北部に、施設を建てる予定だ。ナノレベルで加工された高性能合成活性炭(電極の材料)を、世界ではじめて、商用レベルで製造する施設となる。この活性炭は、電気二重層キャパシタにとって、最も重要な素材となる。

日本には画期的な蓄電装置が必要だ

我が国は、次世代環境車両用の蓄電装置に力を入れてきた。もっとも、我が国は、フォークリフト、クレーン、パワーシャベル、電車、無停電電源装置といった産業機器用蓄電装置の分野でも積極的に蓄電装置を開発してきている。

蓄電装置には、新しいアプローチが必要だ。これは、「これまでの技術の改良を超えた、全く新しい発想や材料による革新的な蓄電技術を模索するための基礎科学的な研究も必要となろう」という昨年の経済産業省の緊急提言にもあらわれている。

温暖化の原因となっている二酸化炭素の削減のためにも、新しい蓄電装置は早急に必要だ。我が国の企業は、これまでにも二酸化炭素の削減を担ってきた。例えば、コマツのハイブリッドパワーショベル(PC200-8)では、「車体の旋回が減速する時、旋回電気モータが減速時に発生するエネルギを電気エネルギとして回収し、キャパシタ(筆者注:電気二重層キャパシタを指す)と呼ばれる蓄電器に蓄える」(同社資料より引用)。 同社によると、「日本国内で稼働する弊社の油圧ショベルがすべてハイブリッド車に置き換わった場合を試算すると、年間約370,000トンのCO2が削減されることとなり、これは東京ドームの153個分に相当する」(同社資料より)。

EnerG2は、日本における電気二重層キャパシタの市場が、2012年までに少なく見積もっても700億円は超えると予想している。同社は、今月末に日本で電気二重層キャパシタのメーカ及び科学者を訪問する予定だ。同社はまた日本において長期的なカスタマーサポートの体制を構築しようとしている。

「グローバルなスケールで、新しいエネルギー経済に向けた動きは加速しています。 」とEnerG2社CEOのRick Luebbeは言う。「当社は、グローバルなニーズに対応するために、オレゴン州に工場を設立します。当社は、クリーンテクノロジーの新しい波を実現することに尽力します。例えば、当社は、当社の素材が、環境車両の効率を向上し、より長い走行距離を実現し、また、より多くの方々に利用して頂ける価格を実現することに、自信を持っています。」

高性能な素材は、蓄電のあり方の見直しをせまる

EnerG2社及び米エネルギー省の電気二重層キャパシタへの重視の姿勢は、蓄電のあり方に対する我々の見方の見直しをせまっているといえるだろう。

東京大学教授で、IEEE Fellow、電気学会産業応用部門長及びキャパシタフォーラム会長でもある堀洋一教授も、「日本では高性能リチウムイオン電池の開発に巨額の投資をしているが、国を挙げて間違っている可能性がある。今回のアメリカの動きをみて考えなおしてほしい。」と言う。

新しいエネルギー経済のなかで、数多くの世界の企業は、既に、蓄電の将来について見直しをはじめている。これらの企業は、電気二重層キャパシタをはじめとして、数多くの選択肢を検討している。 電気二重層キャパシタは、従来の電池よりも充放電の速度が早い。電極の表面の広さと構成に応じて、電気二重層キャパシタは、よりはやい速度で、大きなエネルギーを蓄え、また、放出することができる。電極の性能に応じて、電気二重層キャパシタの寿命は無限大になり得る。

EnerG2社の蓄電に対する画期的なアプローチは、電気二重層キャパシタのエネルギー密度とパワー密度を向上させる電極材料に端を発している。素材を緻密にコントロールすることを通じて、EnerG2は、性能を極限まで引き上げることができる。例えば、自動車の蓄電装置の高出力化への需要は、同社がカスタマイズした活性炭電極で満たすことが可能だ。

遠くない将来、 EnerG2社の素材を利用した電気二重層キャパシタは、次世代環境車両で、 長寿命と使い勝手の良さを追求した民生用途で、多種多様な国内外の産業用途で、エネルギー効率を向上させるために利用されるだろう。

【プレスリリース連絡先】
For More Information
Steven Gottlieb for EnerG2
s.gottlieb@greenc3.com
+1-206-427-9591